映画「鉄の子」テアトル梅田初日レポート
- 2016年04月18日
- ALTAMIRA PICTURES
2016年4月16日、テアトル梅田にて公開がスタートした映画「鉄の子」の初日に、アルタミラ作品をいつも応援いただいている「がんば会のドックさん」がお越し下さり、素敵なレポートを送ってくださいました!!
映画「鉄の子」がいよいよ関西地区でも上映の運びとなりました。
その初日に開催された福山功起監督の舞台挨拶を拝見いたしました。
映画「鉄の子」がいよいよ関西地区でも上映の運びとなりました。
その初日に開催された福山功起監督の舞台挨拶を拝見いたしました。
土曜日の朝いちばんの上映にも関わらず、客席はほど良く埋まり、空席は
ほとんどありませんでした。
最近では珍しい、真の意味での児童映画ということもあってか、客席には
家族と共に観に来た子供たちの姿も散見されました。
作品は児童の視点を大事にしながらも、話の筋や演出が大人だと感じまし
た。
余計な説明がない。それでいて短いセリフ、言葉少なな表情、仕草が雄弁
にその心情を語るかのようで、観ていて今年いちばんの秀作かも知れないと
いう思いが強まって来ました。
観に行った映画のあまりの出来栄えの良さに身震いする、あるいは居住ま
いを正す瞬間が映画ファンならばあるかと思います。
それを久々に味わいました。
子供たちもそれぞれに感じ取るものがあったようで、上映中に退屈を訴え
るような声や態度は見受けられませんでした。
上映後、福山作品ゆかりの俳優である北原雅樹さんがMCを務められ、
福山功起監督の舞台挨拶が始まりました。
まずはこの作品が生まれるに至った経緯や、現場でコンテを割っている暇
がないので、前日のうちに居酒屋さんでカメラマンと打ち合わせをする・・
・など、8日間という短い日数で撮り切るためのエピソードが次々に披露さ
れました。
驚いたのは、この物語が監督ご自身の実話が元になっているという事実で
した。
映画を観ながら、少年と少女のどちらを年上にするかは脚本を作るうえで
思案されたのかなあ、などと思っていたのですが、なんとその前提となる現
実があって、あらかじめそれは揺るがないイメージがあったのですね。
映画を観ていると、この少年と少女はその後どうなったのだろう・・・と
思ってしまうのですが、監督の口からその後日談と言いましょうか、ある意
味で映画のエンドマークの向こう側のお話を伺えたのは貴重な体験でした。
舞台挨拶終了後、監督によるサイン会が開かれることになり、何人もの観
客がパンフレット片手に行列を作っていました。
その観客ひとりひとりとの質問や、写真の求めにも快く、気さくに監督は
応じていらっしゃいました。
私は先述の感想を述べたところ、「まるっきりの児童映画にしちゃうと興
行的に難しくなるので、苦い大人の物語も含めて成立させるように、いろい
ろと工夫したんです」といった旨のお話をいただきました。
福山監督は本作が長編2作目とのことですが、これだけ骨のある作品を、
端正な演出で形にできる監督が現れたことは、日本映画にとって吉報である
と思います。
監督の次回作も準備が進みつつあるとのことで、とても期待ができるとと
もに、楽しみに思いました。
「がんば会/和田曜章」