女子高校生が赤いほっぺたでジャズを演奏するのを見て、今回の映画の題材はこれしかない!!!と決意した矢口監督。しかし実のところ、監督自身ジャズなんて全く知らなかったのでした。そこで、無数のジャズナンバーを聞きまくり、ブルーノートへも足を運び、東へ西へジャズバンドを取材にまわり猛勉強!!
今では、監督もジャズにはまってしまい、サックスをかき鳴らす日々だとか。。。。


このページでは、監督みずからジャズを聞きまくってセレクションしたナンバーをご紹介するとともに、ジャズを聴いたことのないあなたにも、わかりやすくジャズの世界を説明します。
ジャズ評論家
岩浪洋三
兵庫県高砂高等学校
ジャズバンド部顧問
米田 忠男先生
長野県蓼科高等学校
Tateshina High S.
Jazz Lab顧問
齋藤 研郎先生


- 楽曲解説 ジャズ評論家 岩浪洋三 -  
 
「シング・シング・シング」
1936年、作曲ルイ・プリマ

1938年1月にスイング王と呼ばれたクラリネットのベニー・グッドマン楽団がカーネギー・ホールで演奏して人気を呼び、スイングの代表作になった。近年ミュージカル「スウィング」でも演奏され、若者にも人気のある曲。
     
 
■「ムーンライト・セレナーデ」
1939年、作曲グレン・ミラー

トロンボーン奏者で、人気スウィング・バンドのリーダー、グレン・ミラーが作曲し、バンドのテーマ曲として演奏したロマンティックな佳曲。映画『グレン・ミラー物語』(1954年)にも用いられた。
     
 
■「イン・ザ・ムード」
1939年、作曲ジョセフ・C・ガーランド

ユーモアの感覚に溢れた楽しい曲で、グレン・ミラー楽団のヒット曲。同じく伝記映画『グレン・ミラー物語』の中で演奏された。
     
 
■「A列車で行こう」
1941年、作曲ビリー・ストレイホーン

黒人街ハーレム行きの地下鉄をテーマにした曲で、一時、デューク・エリントン楽団のテーマ曲にも用いられていた軽快なスウィング・ナンバー。日本で最も人気の高いジャズ曲のひとつ。
     
 
■「メイク・ハー・マイン」
1965年、作曲エリック・エース

原曲は60年代イギリスのモッズ系バンドヒップスター・イメージのナンバー。若者好みの曲をビックバンド用にアレンジした新鮮さが聞きどころ。
     
 
■「メキシカン・フライヤー」
1965年、作曲ケン・ウッドマン

同じく60年代のロックバンド、ケン・ウッドマンとピカデリー・ブラズのナンバー。
高校生らしい若さを生かした演奏に注目。
     
 
「故郷の空」スコットランド民謡

「アニー・ローリー」「ロッホ・ローモンド」「蛍の光」などと共に日本人には古くから親しまれてきた有名なスコットランド民謡。
     
   
■「この素晴らしき世界」
1967年、作詞ロバート・シール、作曲ジョージ・ウエイス
歌ルイ・アームストロング
(ユニバーサルミュージック)
 愛と平和の歌ともいうべきこの歌は、ジャズトランペッターで歌手、そして偉大なエンターティナーでもあったルイ・アームストロングの大ヒット曲で、映画『グッドモーニングベトナム』や日本のTVCFにも用いられて、広く一般にも知られる歌となった。作詞のシールはインパルスなどの名ジャズプロデューサーとしても有名だった。
     
   
■「L-O-V-E」
1964年、作詞ミルト・ゲイブラー、作曲ベルト・ケンプフェルド
歌ナット・キングコール
(東芝EMI)
この映画のラストに流れる「L-O-V-E」はナットが亡くなる前年、1964年のビックヒット。なんでも日本語をはじめ6ヶ国語で歌われ、そのすべてがヒットしたといわれる。軽快で楽しい曲だが、歌のナットはもともとジャズピアニスト。作曲のケンプフェルドはヨーロッパのバンドリーダーとして有名。