「ウォーターボーイズ」が日本で公開され1年が経とうとしている8月下旬から、なんと韓国での上映が決定しました。韓国での上映は日本での公開時より規模が大きくなるそうで、相当大きな宣伝展開を行うことになったそうです。そして韓国の配給会社から、監督及びプロデュースサイドに取材依頼が入り、公開前の取材ツアーが組まれることになりました。

ここで、「ウォーターボーイズ」が韓国で上映されるに至った経緯をお伝えします。

「ウォーターボーイズ」は、映画の制作中から、海外での販売を考えていました。最近、邦画は海外(特にアジア・マーケット)からも注目されていて、アルタミラピクチャーズが制作した「Shall We ダンス?」などはアメリカのミラマックス・ピクチャーズが全世界公開を行いました。フジテレビの製作した「Love Letter」は韓国で日本を超える大ヒットになったりしています。しかし、映画を海外で上映するには契約や素材のデリバリー等とても多くの作業が必用です。そこで我々はポニーキャニオンの海外セールスチームに「ウォーターボーイズ」を預けることにしました。

ポニーキャニオンは、CDやビデオの販売会社として有名ですが、実は日本の映画を海外のバイヤーにセールスするという部署があって、沢山の作品を海外に紹介しています。世界の3大映画マーケット(AFM、ロンドン=ミラノ、カンヌ)に販売ブースを持ち、世界から集まる映画会社に日本映画を紹介しています。「ウォーターボーイズ」はこれら映画マーケットで業者向け試写(英語字幕版)を行い、各国にセールスされているのです。
マーケットには、当然韓国の映画会社が複数参加していて、そのうち数社から「ウォーターボーイズ」の韓国での上映権を購入したいという依頼がありました。そして、その中で一番映画に情熱を注いでくれそうなMIRO VISIONにお願いすることになったのです。
 
韓国に向かうことになったのは、矢口監督夫妻、プロデューサーとして佐々木と関口。そして宣伝プロデューサーだった東宝の原田さんです。

29日の朝、我々一行は、成田エキスプレスで成田空港に向かい、大韓航空機に乗り込みました。韓国はとても近く、皆で話をしているうちに仁川国際空港に着いてしまいました。
 
空港には、MIRO VISIONのスタッフの皆さんが迎えに来てくださいました。そして車でソウルへ!ソウル市内に入ると、「ウォーターボーイズ」の看板があちらこちらにあるのを発見!
 
韓国では日本の映画はテレビでの宣伝が規制されているそうで、宣伝費のほとんどを町中のブルテンボードに費やしたそうです。
   
この日の夜は、ソウル市内の映画館で「ウォーターボーイズ」の試写がありました。
ソウルの映画館は日本より進んでいて、非常に近代的な上映システムを有するシネマコンプレックスです。試写会が行われた映画館も大きな商業ビル内にありました。入口には韓国版POPが立っていてお客さんの目を引いていました。
 

会場は超満員!
 
我々日本人スタッフは「ウォーターボーイズ」が韓国人に喜ばれるのかちょっと不安になりました。試写会が始まる前には、矢口監督が通訳を通しご挨拶しました。
 
そして、いよいよ上映が始まりました。

当然ハングル字幕付きです。我々の不安は上映が始まってすぐになくなりました。オープニングから徐々に笑いが起こり、はじめのシンクロ失敗のあたりではもう劇場中が大爆笑となりました。そして、エンディングまで、信じられないほどの盛り上がり!!
 
 
上映終了後、監督によるティーチ・インがありました。
いろいろな質問が出たのですが、意外だったのが三浦くんが韓国代表サッカー選手の朴智星(パクチソン)選手にそっくりだということです。後でMIRO VISIONのスタッフに聴いたのですが、三浦君が登場すると、おおくのお客さんが「朴智星(パクチソン)選手にそっくり!」と声を上げていたそうです。
 
試写会終了後の1コマ。監督に群がるお客さんです。監督の左側の人が持っているのが当日配られたうちわです。映画のラストで鈴木(妻夫木くん)がはく水着のデザインを模しています。
 
30日は、朝、SBSという韓国のラジオ局に行って、映画番組に矢口監督がゲスト出演しました。
 
 
収録が終わって、我々は MIRO VISIONにお邪魔しました。会社は、ソウル中心地にほど近いオフィス街にありました。もともと一軒家だった建物を改装したとても洒落たオフィスでした。
 
MIRO VISIONのオフィス傍には、こんな大きな看板もありました。スタッフの皆さんの力の入れようが実感できました。
 
 
午後は、ホテルのバンケットルームで合同記者会見が行われ、韓国のマスコミ各社が集まりました。
この記者会見では、作品の成り立ちや役者さんのこと、監督やスタッフのことなど広範囲にわたり質問が出て、監督はそのひとつひとつに丁寧に答えていました。
 
その後、映画専門誌など数誌の個別取材をこなす矢口監督。
 
夕方。今回の韓国ツアーのメインイベントである水辺での試写会に向かいました。この試写会は、ソウル市内を流れる大きな川の川辺にあるプールで野外上映会を行うという趣向です。さらに上映前にはスクリーン脇のプールでの本物のシンクロ付きなのです!
 
入口では、お客さんに特製うちわとビニール製の空気を入れると座布団になるものをプレゼントしていました。
 
これがスクリーンです。日本では見たことがないですが、空気を入れて膨らませています。この映画上映の為にわざわざMIROVISIONが制作したそうです。
 
 
いよいよイベントがはじまりました!まずはシンクロから。
 
そして監督の舞台挨拶。
 
お客さんは韓国映画史上最も多い人数を集めたそうで、3000人以上は来てくださいました。そして上映開始!昨日の反応以上に川辺は大勢の笑い声に包まれました。
 

上映後、MIRO VISIONの皆さんと川辺でビールを飲み、映画について語り合いました。とても気持ちの良い夜でした。

30日。韓国公開の成功を祈りながら、帰路につきました。帰りも車の中から沢山の「ウォーターボーイズ」の看板を見ることができました。

 
 
 
 
 
 
製作 フジテレビジョン・アルタミラピクチャーズ・東宝・電通
監督/脚本 矢口史靖

(C)2001フジテレビジョン/アルタミラピクチャーズ/東宝/電通