2012年 第86回 キネマ旬報ベストテンで「終の信託」の周防正行監督が監督賞を受賞し、
銀座ブロッサム中央会館にて受賞作品の上映会と授賞式が行われました。

会場となった銀座ブロッサム中央会館は満席!
たくさんの映画ファンが見守るなか、授賞式が行われました。
フジテレビジョンの笠井アナウンサーが司会を努めました。
キネマ旬報ベストテンで受賞者に授与されるトロフィーは頭と手が欠けています。
この二カ所の欠落には、受賞者の発想力(頭)と技術力(手)で補ってくださいという思いが込められているそうです。

周防監督いわく、映画監督はイエスとノーを言い続ける人だそうです。
監督としての優秀な技量とは、イエスとノーを言うのが巧かったのかな、
と会場の笑いを誘っていました。
『「シコふんじゃった。」ではカルトムービー作家、「Shall we ダンス?」では娯楽映画作家、今では社会派と呼ばれてます。次はどんなレッテルが貼られるのか、楽しみです』
と次回作への意欲も感じられるスピーチを行いました。

日本映画作品賞を受賞したのは、「かぞくのくに」でした。
代表として梁英姫(ヤン・ヨンヒ)監督が登壇し、
『家族と会うことを引き換えに映画をつくっています。でも映画を作るスタッフという家族ができたので寂しくはありません』と受賞の喜びを語りました。
また「かぞくのくに」に主演した安藤サクラさんが主演女優賞と助演女優賞のW受賞という快挙を成し遂げました。安藤サクラさんの受賞に梁監督、大号泣!会場があたたかい空気に包まれました。

助演男優賞を受賞したのは小日向文世さん。
映画の賞を受賞したのは初めて!との驚きの発言に、会場もどよめいていました。
そして次点の大沢たかおさんと、票の数がなんと一票!だったことに、
北野武監督に本当にありがとうございましたと伝えたいと喜びを表現していました。
また三部作と噂される「アウトレイジ」、
『二作目で殺されてしまいました・・・』と会場を湧かせました。

授賞式後のパーティにて、周防監督と小日向文世さん。
ビールを片手に受賞の喜びを分かち合っていました。

そしてキネマ旬報読者賞を受賞された映画評論家の大高宏雄さん。

『1970年前半、たくさんの映画雑誌があったけれども、その中で残っているのはキネマ旬報しかない。これから先、どういう雑誌になっていくのかとても楽しみです』と嬉しさをにじませていました。

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