現在発売中の文藝別冊「若松孝二 闘いつづけた鬼才」
磯村一路監督と成田裕介監督が出逢った若松孝二監督について語っています。

“全部を巻き込んでしまう人”と銘打たれたこの対談。
読んでいるとまさに若松孝二という巨大な波に翻弄され、戸惑いながらも、
どこかその荒波を楽しんでいるかのような、
若かりし頃の成田監督と磯村監督が見えてくるような気がします。
セールスマンだった成田監督と自主映画を撮っていた磯村監督は、
それぞれ映画へのアプローチは違いましたが、若松監督の前ではとにかくがむしゃらに進まなくてはならない。
その中で若松孝二という人を吸収していきました。
亡くなる直前まで全力疾走していた若松監督の生み出す作品を、
磯村監督は客観的に観ることができない、と語っています。
若松組という世界から外に出たこと、後悔しているというわけではなく、
もはや若松監督の映画作りの中にいないことにセンチメンタルを感じる。
しかし若松孝二の映画を観ると、若き日に引きずり戻される圧倒的な力を感じる。
死してなお、私たちの心を揺さぶる若松孝二監督の魅力。
日本の映画界を牽引する監督たちの言葉で感じてみるのはいかがでしょうか。
文藝別冊「若松孝二 闘いつづけた鬼才」
河出書房新社 1,260円(税込み)

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