9月15日、三連休の初日。京都は大勢の観光客で賑わっていました。そんな中、銀閣寺から程近いマニアックな品揃えで有名な本屋さん、ガケ書房で「吉祥寺発赤い電車」の上映が行われました。店内の書棚を移動して作られたスペースには所狭しと椅子が並べられ、そこに40名程のお客さんが詰めかけました。

この作品のフィルムはしばらく行方不明となっていましたが、5年前に作品の前半部分だけが発見されたのです。今回上映したのはその見つかった前半部分です。途中で画が途切れたため映写スタッフが終了の合図を出すと店内の明かりが灯り、お客さんからは“ここで終わりだなんて残念!”といったため息が漏れました。しかし、これは映写スタッフの早とちりで、映像はまだ少し残っていてスクリーンにまた画が映し出されたのです。そして、心優しいお客さんたちはそんなことには不平を鳴らさずこれまで以上に食い入るように最後まで(作品としては途中までですが)観続けてくれました。

またお客さんの中には映画の中に自分の小さい頃の姿を発見したという貴重な体験をされた方もいらっしゃいました。なにはともあれ店長の山下さんの熱意で始まったこの上映会は無事に終了しました。