10月11日(木)に、今野恭成監督による日中合作サイコホラー映画『心魔師』の完成披露試写会が渋谷のユーロライブで行われました。上映前の舞台挨拶には、監督の今野恭成さん、主演の生津徹さん、真崎かれん さん、共演の柳憂怜さんが登壇。また、音楽を担当した沈佳女さんも中国側の代表として急遽登壇してくれました。舞台挨拶は、撮影現場での和気あいあいとした様子が垣間見れるような終始和やかな雰囲気に包まれ、司会を務めた本作のプロデューサーである土本貴生と柳さんとの漫才のような掛け合いに、会場は大いに盛り上がりました。

 


 

 - 以下、舞台挨拶内容

 

 ゲストによる挨拶、映画の内容はネタバレ要素が多くゲストも説明が大変!

 

今野 こんにちは。今日はお越しいただいて有難うございました。僕もまわりにこういう映画を撮ったので今度見に来てねって言うんですけども、「あーあたしそういうのだめだわ」とか「それ見れないわ」とかよく言われるので、今日はこんなに集まっていただいて凄く嬉しいです。有難うございます。

 

生津 皆さんこんばんは。本日は、お忙しい中この映画『心魔師』を見に来ていただきまして本当に有難うございます。笑っていただけるような映画ではないですけれどもぜひ最後までお楽しみいただけたらと思います。今日は宜しくお願い致します。

 

真崎 皆さんこんばんは。安藤夕子役を演じました真崎かれんです。皆さんの前でこのスクリーンに映しだされるのがほんとに嬉しくて。それなので緊張もしているし、これからどんどんどんどん全国にこの映画が広がっていくといいなというふうに思っているので、どうか皆さんの力をお借りしたいと思います。宜しくお願いします。

 

柳 えーと、どうもこのお足元の悪い中……。

 

司会 悪くないです。

 

柳 悪くないですね。全然悪くない中お集まりいただいて本当に有難うございます。まあ、映画始まる前なんであんまりグダグダ言ってもしょうがないので、ぜひ見て楽しんでいってください。宜しくお願いします。

 

沈 皆さんこんばんは。『心魔師』の音楽担当の しん かにょ といいます。宜しくお願いします。

 

 

 劇場公開される映画では今回が初主演の生津さん。

 

生津 初めましての方がたくさんいらっしゃると思いますので。私は生津徹と申しまして、もう48歳になりました。今村刑事というのは30代の設定だったんですけれどもこんな機会をいただけるとは、ほんとに最初は驚きました。日中のスタッフの方たちにこういう機会をいただけたということで本当に感謝しました。やるからには映画が完成して皆様のもとに届くまではこの身を尽くそうと覚悟を決めました。今後共宜しくお願い致します。

 

 オーディションで夕子役を勝ち取った真崎さん、真崎さんも本作で主演デビュー。

 

真崎 私の役がどういう役かっていうのは言えないんですけども、オーディションに受かったのが凄く凄く嬉しくて、というのも、オーディション受けるときに私はこういう役だっていうのは知らされていたので、絶対やってみたい役だなと思いましたし、オーディション受けるまでの数日前ぐらいからずっと役について調べたり考えたりしていたのでオーディション行ったときは最初から泣きそうな感じになっていて、お芝居終わった後も普通に監督が「昨日の夜ご飯何食べました?」とかそういう簡単な質問をしたのに対して「(泣きながら)骨付きの肉食べました」みたいな感じで言っていたのでやばいかなって思っていたら「受かりました」と言われたので、安心しました。嬉しかったです。

 

 

 生津さん演じる今村刑事の上司・田島刑事を演じた柳さん。

 

柳 今回はセクシー大下という役で……。

 

司会 そんな役なかったです。田島刑事です。

 

柳 ダンディ高山でもない……。

 

司会 ええ全然違いますね。

 

柳 僕の役はまあ別に、刑事で特にどうということはない。別に僕は何もしない、ただ生津さんが演じられた刑事の一応上司ということで生津さんがちょっと道を外しかけた時に修正をするという、そういう役どころで。別に本編とはあんまり関係なくて。

 

司会 関係あります。結構あります。

 

柳 ありました?それより今こちらの素敵なお嬢さん(隣の真崎さん)を見ていただいた方が。僕なんか見てもしょうがないので。とても皆さん、もちろん僕もそれなりに一生懸命やったんですけど、生津さんもそうですし真崎さんも、さっき言われたように映画初主演ということと真崎さんがオーディションに受かったということで、とてもピュアな感じで一生懸命やられてたというのは、僕なんかもう適当にやって適当に帰るようなそんな人間なので心が洗われたというか。やっぱり仕事は一生懸命やらなきゃいけないんだなと勉強させていただきました。

 

 『心魔師』は日中合作映画。日本語と中国語、コミュニケーションはうまくとれたのか。

 

生津 確かに言葉の壁というのはありましたけど、確実に話さなきゃいけないところはバイリンガルの人が何人かいたので特に問題はなかったです。あとは、いろいろコミュニケーションをとろうとするんですけど通じないのはしょうがないなって感じでした。でも歩み寄ろうとしてくれる気持ちが凄く励みになったのは覚えています。

 

真崎 私、カメラが凄く好きで。現場に一眼レフカメラを持って行ったんですけど、中国のスタッフさんも高いライカっていうカメラを持っていて、写真をお互いに撮りあっていました。あんまり言葉はわからないので会話せずにジェスチャーとかカメラで通じあっていました。

 

 

 中国スタッフの中でまだ20代の若い今野監督、多くの役者を率いての撮影。撮影時の監督の心境はどのようなものだったのだろうか。

 

今野 (監督作が)全国の映画館に出させていただくのは今回が初めてです。でもこの映画、作曲の沈さんは(東京藝大)大学院の卒業制作の時に音楽を作っていただいていたり、編集のダンニという方も同じ大学院の同期であったりとかスタッフに関しては今までやってきた人が多かったりしたのでやりやすかったですね。あと柳さんも実は僕大学院の時に柳さん覚えてないかもしれないけど。

 

柳 覚えてる覚えてる。

 

今野 実習の時に出ていただいて。

 

柳 『ブエルボ アル スール』。(『リスナー』の一篇)

 

今野 はい。「南へ帰る」っていう意味の映画なのですけどもラジオのディレクターの役で出ていただいて。その時も凄く嬉しくて、その縁もあって安心感があり、また一緒にやらせていただきました。あと、生津さんも一昨年撮ったコメディ(『レンコーンの夜』)でご一緒したりしたので、すごく安心感がありました。

 

 

 音楽担当の沈さん、監督のイメージを形に。

 

沈 最初に作った音楽をひとまず監督さんに送って、聞いてもらったら「怖くないですね」と言われたんです。それで音の厚みとか盛り上がりよりも不気味さとか怖さを優先したいと言われました。具体的に教えていただけて有難かったですね。実は私ずっと日本に住んでいますので、中国側との合作は少ないですけれど、今野監督とは2回目です。今野さんはとても音楽のセンスを持っている監督さんだと思います。映画音楽に対するハートはとても素晴らしいです。

 

今野 有難うございます。

 

 

 ネタバレ厳禁? 映画『心魔師』の見どころは?

 

今野 見どころは、まさに役どころってのはこれから見ていただくんですけども、厚みのある役者層というか、すごく個性のある役者さんたちに出ていただいて。それぞれがちゃんとした役割を持っているというストーリーなので、一人一人の顔を良く見ていただきたいなっていうふうに思います。

 

生津 そうですね。あの、怖いだけの映画ではないので、皆さんいろいろなところを皆さんなりに楽しんでいただけたらと思っています。

 

真崎 多分一回見ただけじゃ謎が残ったままだったりとか、もっと掘り下げたくなるような映画だと思うので、またちょっとどういうことだったのかなと思ったら27日から公開なので、その後もどんどん足を運んでくださると有難いです。

 

柳 日本映画にはさんざん煮え湯を飲まされている人間なんですけれど、あの。まあ、前からというかずっと言っているネタバレ厳禁とかいう話は出ているんですけど、別にそれだけの映画じゃないですし、むしろそういうことを気にせずに自分で見たまま感じたままで楽しんでいただければいいかなと思います。今、真崎さんが仰ったように、もう一回見たいなと思えるような映画にもなっていると思うんで、27日から新宿シネマカリテで、まず第一弾始まってそこから全国に広がっていく予定なので是非皆さんのお力でどんどんこの映画を育ててやってください。宜しくお願いします。

 

 

 『心魔師』はいよいよ10月27日から新宿シネマカリテにて上映されます。